新幹線に閉じこめられたい

新幹線に乗るのが好きです。

帰省ぐらいしか乗る機会がないのだけど、シートに座り、お菓子や飲み物を広げ、暇つぶしの本やゲームを用意して、移動時間を楽しむ気満々で臨む。

でも結局寝てるうちに目的地についてしまう。もっと乗っていたい。

そんな想いがこじれてしまったのか、気象災害や車両故障で新幹線に閉じこめられた、というニュースを見ると「いいなぁ…」と思うようになってしまった。

駅で停車中の新幹線で寝ているサラリーマン達の映像。「乗客は不安な一夜を過ごしました」というニュース原稿。僕にとっては全然不安じゃない。キター!である。寝てる場合じゃない。でも寝ないともったいない。どうしよう。

しかし幸か不幸か、今までそんな目にあったことがない。

そこで提案なのだけど、新幹線を夜行列車にしてくれないだろうか。

「はやぶさ」や「さくら」といった往年のブルートレインの名称が、いま新幹線につけられている。ならいっそ、そのブルートレインの魂も継承してほしい。

23時上野発の東北新幹線はやぶさ。ゆっくりとしたペースで走り出し、翌朝7時に新青森に到着。それまで車内を満喫できる。寝てもさめても新幹線。流れる星空。登り出す朝日。ワクワクが止まらない。

本気を出せば半分以下の時間で着きますが…、とか、あの流線型の意味が…、とか、カシオペアに乗れば…?という部下たちの意見に、お前たちは何もわかってない!とドン!と机を叩きたい。

興奮のあまりなんかの組織の上役になってしまっている。

図書館のミラクル

うちの近くの図書館は本を借りると「いま貸してる本はこれこれで、返却期限はこれこれですよ」という小さな紙をくれます。

で、先日図書館で、伊集院光『のはなしさん』と長島有『ジャージの二人』と枡野浩一『石川くん』を借りました。ちなみに『石川くん』は石川啄木を現代語訳したエッセイ集。

で、この3冊を借りたら、あの小さな紙がこんなことになっていました。

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本当の恵方はもうちょっと右

節分です。今年の恵方は南南東らしいですよ。

なんか恵方っていっつも漢字三文字の微妙な方向な気がする。「ずばり北!」とかないのだろうか。

と、思ってちょっと調べてみた。

「恵方」というのは歳徳神という神様がいる方向のこと。ほぼ毎年いる方向が変わるけど、東北東・西南西・南南東・北北西の4種類だけらしい。

4つしかないとは以外。あちこちにテレポートするボスが倒せなくて困っていたら、実は出現場所が決まっていて、待ち伏せすれば楽に倒せるじゃん!みたいな発見。いやいや歳徳神倒しちゃだめだけども。

しかし古来の甲とか丙とかの24方位を16方位に無理に当てはめているのでズレがあるらしい。正確には


甲の方 = 75° ≒ 東北東 + ちょっと右
庚の方 = 255° ≒ 西南西 + ちょっと右
丙の方 = 165° ≒ 南南東 + ちょっと右
壬の方 = 345° ≒ 北北西 + ちょっと右

で、16方位+ちょっと右になる。今年は南南東+ちょっと右(67°30′+7°30′)が正しい。知らなかった。

ストラックアウトで5番を狙うと宣言しておいて4番に当たるみたいなことが毎年起きてるわけだ。

だからズレてるんですけど!と歳徳神も毎年イライラしてると思う。恵方巻きを食べてる方も結局神様の恩恵が受けられない。

我々がちょっと右に向くか、歳徳神が妥協して自ら動くか、今年も根気比べはつづく。

思春期前夜祭! 天久聖一『こどもの発想。「コロコロバカデミー」ベストセレクション』

もう、お腹が痛い。痛いよー。

2001年~2004年に『コロコロコミック』に連載されていた読者投稿ページ「コロコロバカデミー」のベストセレクション。「100点以上の0点をとろう!」を合言葉に、10年の時を超えて小学生たちのおバカ投稿がいまよみがえる。

言わば「小学校のテスト問題大喜利」を現役小学生が答えるわけなんだけども、設問が絶妙。例えば。

・右の人物(織田信長など)にあなたの考えたニックネームをつけなさい
・発明家エジソンの発明品をひとつ答えなさい。
・シンデレラがお城に忘れてきた物はなんですか?まちがえて答えなさい
・お巡りさんはふだんどんなお仕事をしていますか?まちがえて答えなさい

この「まちがえて答えなさい」がすごい発明だと思う。こう言われただけで、小学生たちが途端に面白いことを言おう言おうとしているのがビンビン伝わってくる。シンデレラがわらじを忘れたりしてる。

もう一つの特徴が、回答がすべて小学生たちの手書きのまま掲載されていること。もう字が汚いだけで面白い。また、読者投稿ページから問題部分を切り取って書いてハガキに貼る、というスタイルだったため、問題文のイラストになんか足されてたり、そもそも切って貼る段階ですごく汚くなってたりする。バカドリル公式のこちらのページで作品の一部を見ることができるのでぜひ → 自由すぎる!こどもの発想。-バカドリル

ずっと読んでると不思議なもので、小学生たちのおバカ脳に大人脳が順応しはじめて「ハイハイ、またウ○コね」となってくる。トランス。しかし、途中途中に編者の回顧録が挟まっていて、この”大人目線からのコラム”によって大人脳にリセットされる効果がある。これもまた絶妙な構成。

オトナの大喜利にはない、ルール無用・下ネタ上等・問答無用のハイセンス回答たち。飛び道具だらけの校庭に、オトナはもう腹を抱えて床を転がるしかない。超オススメ!

関連リンク
自由すぎる!こどもの発想。-バカドリル
「こどもの発想。」蛇足。-バカドリル