日本とくになんでもない話

昔々あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。
おじいさんは山に芝刈りに、
おばあさんは川に洗濯に、
少女は通学のバスでまどろみ、
子供たちは歌声を青空に響かせ、
大人たちは握手をかわし、
少年は夕食が湯気をたてる我が家を目指し、
桃は河口に辿り着き、
そしてまた夜がくるのでした。

めでたしめでたし

=====

昔々あるところに、浦島太郎という若者が住んでいました。
ある日、浦島太郎が海岸を歩いていると、
子供たちが一匹の亀をいじめていました。
浦島太郎は亀を助けました。
亀は「助けてくれてありがとうございます」としゃべりました。
浦島太郎は驚いて、
近くの水族館に携帯で連絡しました。
浦島太郎は水族館の職員の車を誘導しました。
しかし海岸に戻ってみると亀の姿はありませんでした。
「しゃべる亀なんていないじゃないですか」職員たちは笑いました。
浦島太郎はがっくりと肩を落としました。
夕陽に映し出されたそのシルエットは、まるで老人のようでした。
翌朝。
浦島太郎が顔を洗おうと鏡を見てみると、
一本の白髪を見つけました。

めでたしめでたし

=====

昔々あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。
おじいさんは山へ芝刈りに、
おばあさんは川に洗濯に、
弱い者たちは夕暮れさらに弱い者を叩き、
その音が響き渡ればブルースは加速していくのでした。

めでたしめでたし

=====

昔々あるところに、浦島太郎という若者が住んでいました。
ある日、浦島太郎が海岸を歩いていると、
子供たちが一匹の亀をいじめていました。
その音が響き渡ればブルースは加速していくのでした。

トレイントレイン

2件のコメント

コメントは停止中です。