チャンスの女神を抱きしめたい

ビジネス系の格言でたまにこんな言葉を目にする。

「走ってくるチャンスの女神には前髪しかない。後ろ髪はないから通り過ぎてからはつかめない。だからチャンスがやって来たら逃さずつかむんだ」

チャンスを逃すなっていったって、いくらなんでも神の前髪をつかむって、相当罰当たりだと思う。

しかも女神。髪は女の命。キレていいところだ。そこまでしてチャンスが欲しいのか。

なんてことをTwitterでつぶやいたら「出会ったら迷わず思い切り抱きしめる!」という説もあると教えてもらいました。

なるほど、髪をつかむより抱きしめるほうが何倍も素敵である。しかも、抱きしめることができるということは、チャンスより自分が先を行ってるわけで、ビジネス格言的にもこの方がいいんじゃないか。

イメージ的には箱根駅伝の中継所。

向こうからチャンスの女神が走ってくる。復路6区の山下りを終えて、ヘトヘトの女神。中継所前のラストスパートだ。こちらはベンチコートを着て、大きめのバスタオルを構えて待つ。

次のランナーにたすきを渡し、倒れこむチャンスの女神。それを受け止める僕のバスタオル。よくやったと声をかけ、火照る体を抱き締める。上目遣いで僕を見るチャンスの女神。前髪は汗で顔に張り付いていて、後頭部はツルツル…。

だめだ。いくら女神でも、ワッ!と後ずさると思う。チャンスを捕まえるのは難しい。