無印と象印と貝印と

無印良品に対して象印はどう思っているのだろう。

象印だって良品を作っているはずなのである。魔法瓶や炊飯器など、食につながる製品であるからこそ、厳しい品質管理が求められているであろう。

でも印が無いほうが良品として名を馳せている。

うちだって良品なのに。象印良品なのに。悔しがる象印。地団駄が大地に鳴り響く(象だから)

そんな象印をそっとうかがう会社があった。

貝印である。

カミソリを扱う貝印。人の肌に直接触れるものだからこそ、厳しい品質管理が求められているであろう。

でも印が無いほうが良品として名を馳せている。

うちだって良品なのに。貝印良品なのに。悔しがる貝印。いつも余計に砂を吐く(貝だから)

そんな象印と貝印のもとに、無印良品が訪れる。

「うちとコラボをしませんか」と無印良品は言う。

「『無印×象印×貝印良品』ですよ」と言う。

これはいい。無印良品とコラボをすれば、うちも念願の良品を名乗ることができる。二つ返事でOKする象印と貝印。いつもより念入りに朱肉を付ける。

しかし、それが無印良品の策略だとわかったときにはもう遅かった。象印と貝印は無印良品の手中に収まってしまう。

こういうことである。

無印×象印×貝印 = (無×象×貝)印  = 無印

無に何をかけても無になるのだった。

そして無印良品は今日も無で全てを飲み込んでいく。凸版印刷とかなんとかならんかな印ついてるし、とかつぶやいている。
 

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