6月 032010
ミステリでいうところの「館モノ」「吹雪の山荘モノ」というと、ふつう容疑者は建物内の、まぁ、多くて10人いるかいないかぐらいなんですけど、まぁ、これ、あらすじ見てください。
大富豪の館でメイドとして働く妹に頼まれ、名探偵・西園寺とその館にかけつけた神尾は、奇妙な殺人事件に遭遇する。衆人環視下、謎の方法で館の主が殴り殺され、容疑者は、なんと館を訪れていた計百人!誰もかれもが疑わしい!?しかも外界に通じる唯一の道である橋が爆破され、閉鎖空間内で次々事件が…。鬼才があなたに“本格ミステリ”の意味を問う、驚愕の最新作。
容疑者100人。
で、巻頭の「登場人物一覧」に律儀に100人の名前と属性(親族とか職業とか)が書いてある。総ページすう6ページにもわたる登場人物一覧!親族20人以上!使用人30人以上!お笑い芸人、元プロ野球選手、オーケストラの楽団員、タクシー運転手、住職、主婦、無職まで、全部名前がついている!
と、ここまで煽ったものの、作中に名前がちゃんと出てくるのはほんの一握り…。ロジックで100人の中から搾り出す、というのはあんまり期待しないほうがいい感じ。シリアルキラーまで出てきちゃって、派手な展開の大騒ぎ。最後明かされるトリックには膝カックンものという、愛すべきバカミスです。
というわけで一言でいうならば、「出オチ」でしょうか…。
【この記事と似たような感じの記事】
- 綾辻 行人, 佐々木 倫子『月館の殺人(上)』
- 「このどんでん返しがすごい!」たった一行で世界が反転するミステリ7選
- 動物マニアの異世界論理 大倉崇裕『小鳥を愛した容疑者』
- 綾辻 行人, 佐々木 倫子『月館の殺人(下)』
- 山口雅也『モンスターズ』
- 探偵小説研究会『2011 本格ミステリ・ベスト10』に投票しました。
- 問題:この人はだれ?
- 鳥飼否宇『逆説探偵―13人の申し分なき重罪人』
- 高橋征義『でかいプレゼン 高橋メソッドの本』
- 大倉崇裕『福家警部補の再訪』


ブログ更新しました: この登場人物一覧がすごい! 山口芳宏 http://bit.ly/981FWi