押し入れから神様が出てきた! 天久聖一『味写入門』

ほぼ日刊イトイ新聞に連載されていた「天久聖一の味写入門」の書籍化。

まず「味写」とは何か。Amazonから書籍紹介を引用してみましょう。

明らかにシャッターチャンスを逃し、構図はデタラメ、ときには赤の他人が堂々と真ん中に写っていたり…。そんな“失敗写真”を押し入れの奥から発掘し、改めて眺めてみると、撮った当時は気づかなかった意外な味わいが生まれていることがある。失敗と偶然が絶妙の効果を発揮した「味のある写真」=「味写」。神のイタズラとしか思えない名作の数々が、あなたの脳をとろけさせます。

で、もう一度この本の表紙を御覧下さい ↑ 左の幼子の、頭をつかまれた首の角度といったら!素人たちの失敗写真が天久聖一のコメントと共に爆笑の渦を巻き起こす。

おじいさんと後ろの掛け軸の柄が重なったり卒業式にくのいちが現れたりスフィンクスをバックにアラブ人が遠くを指さしていて手前におばさんがアップになっていて全員目線が違っていたり、犬が浮いてたり、知らないオッサンが無重力だったり…。

狙っても撮れない、かといって報道のような大げさはない。まさに「油断」意外のなにものでもない写真たち。いかにも昭和!な写真も多く、ノスタルジーの味わいと油断の味わいを同時に味わえるおまけつき。

ハプニングにしてはボンヤリしてて、奇跡にしては滑稽で、神様のイタズラにしては度が過ぎている、誰も見たことがない写真集。百聞は一見にしかず、ですよ。
 

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