受け取れません

先日、家族で買い物に行った。

お昼ごはんを食べて、満腹感から娘三才が寝てしまって、仕方ないのでおんぶして帰った。買い物もしたので後ろ手に荷物も持って、10kg超えの娘をおんぶして駅構内を歩いていた。

そんなシチュエーションで、不動産屋のチラシ配りの人がチラシを手渡そうとした。

絶対無理である。

ちょっと面白すぎたので「いやいや、受け取れません」と返したら、「ですよねぇ~」と言われた。わかってるんじゃないか。なんなんだ。

同じ日。

家に着いて、ちょっと昼寝をした娘。昼下がりには元気いっぱいになり、近所の公園に散歩に連れていった。かなり大きな公園で、大きな原っぱに池、あちこちに木も生えている。ちょっと前には桜が満開だった。

原っぱでひとしきり走り回ったあと、木に登りたいと言い出した娘。しかし自力では登れないので、抱っこして木にしがみつかせて、お尻をおさえてグッと持ち上げていた。

その時、ひとりの女性がそっと寄ってきた。

チラシを片手に「そこで写真館をやってるものですが…」と言う。

絶対無理である。

娘のお尻を両手でおさえながら「受け取れません」と言う僕。あぁ、という愛想笑いで去る女性。

みんななんなんだ。見りゃわかるじゃないか。無理だって。

それとも、あんな状況でも受け取れそうに見えるのか。

僕に、神の見えざる手が?

その神にチラシを?

みんななんなんだ。