ホラー映画のスタッフがホラー好きとは限らない

ホラー映画が苦手です。

ホラー映画に限らず、怖い話が苦手です。だって怖いじゃないですか。見たり読んだりした後に、生活の中にさっきの怖いのが入りこんでくるのがもう嫌なのだ。怖いのだ。就寝時の消灯、半開きのドア、洗髪中の背後、向かいのホーム、路地裏の角、こんなとこにいるはずもないのに。

というか、ホラー映画を作る人の中にも怖いのが苦手な人が絶対いると思う。

映画の最後に延々流れるエンドクレジット。一本の映画を作るのに、撮影・編集・美術・音声などなどたくさんの人が関わってるけど、みんながみんなホラー大好き!じゃないと思う。一人くらいは「俺、血とか全然ダメで…」という人がいるはずだ。

普段はベタなラブコメとかを愛しているしがない映画スタッフであったが、この不況下、人が足りないという理由でホラーの現場に駆り出されてしまう。「いや自分、こういうのはチョット…。」「じゃぁお前以外に誰ができるんだよ」「それはそうですけど…。」最終的に上司に押し切られ、例えばグチョグチョした音とか、小腸に似せた何かとかを作らないといけなくなってしまう。

ラブもコメディもない現場に苦悩する彼であったが、なんとか自分が怖がらずに済む手法を編み出して対応していく。怖くて試写も見れない彼。しかし、これまでと違うクオリティを持った出来映えに職人としての腕を買われ、どんどんオファーがきてしまい…。

なんかデトロイト・メタル・シティみたいな話になってきた。