ラフォーレ原宿のグランドバザールには最終日に「爆発タイム!」があるらしい。
「爆発タイム」
それは爆発するタイム。
最終日まで売れ残った洋服たちは前日の夜のうちにトラックに詰め込まれ、原宿を後にする。
翌日、トラックは千葉の採石場にいる。
トラックから降ろされた洋服は、採石場内の周囲に何もない、広場上の真ん中に山となって積まれる。
作業員たちが洋服の山を取り囲む。
500mほど離れた地点から様子を見守るラフォーレ原宿の店員たち。1月の採石場は寒い。吐く息は白く、手がかじかむ。ダウンジャケットを着てきてほんとによかった、と店員たちは口々に寒さについて語り合う。
スーツ姿の店長が拡声器で作業員に指示を出している。彼もダウンを着ている。バーゲンの初日、開店前に「これ俺もらった」と言って棚からバックヤードににひっこめたやつだ。
作業員たちが”山”を離れる。
爆発タイムが近づく。
店員たちのおしゃべりが、自然と止む。
店長が店員たちがいるエリアに走って向かってくる。
カウントダウンが始まる。
ゼロ!の掛け声とともに、巻き起こる爆風。
店員たちの長い髪が一斉に後ろになびく。あがる火の手の熱が強く、直視していられない。
吹き飛ぶTシャツ。燃えるジャケット。
“山”は火の勢いを増し、黒煙がもうもうとあがる。
なにこの灰、白いコートにするんじゃなかった、と新人の店員が嘆く。甘いわね、と去年のモデルの黒いダウンを着た先輩店員が笑う。
徐々に火の勢いを弱めていく”山”。今年の爆発タイムも無事に済みそうだ。まるで焚き火をみるように、安堵した表情で店長が”山”を、店員を、見つめている。
爆発タイムは1/25(月)とのこと。見逃せないイベントになりそうです。
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