ツルツルの生き方 岡田圭右『無欲 岡田がおかだである理由』

パァ!!出た!!ワォ!! 岡田でーす!
いやぁ~~、俺の本!!
いやいや~~、俺で本!!
こんなうすっぺらい人間が本を出す。まさにキセキの一冊だ。
(「はじめに」より)

冒頭からこのノリです。ますだおかだ岡田の初の著書。雑誌連載のコラムをまとめたもの。もう最初に言わせてほしい。誰に向けた半裸なのか。

日本のスベリ芸の先頭を行く人なのに、本だと誰もつっこんでくれないので、ひとりボケひとりツッコミのオンパレード。「…って、何言わすねん!」「…って、コラー!」「もう閉店ガラガラや!」雪道で起きた交通事故を誰も処理せずに半壊の車が放置されたままのような状態です。

内容は半自叙伝。小学校の卒業アルバムの寄せ書きに「無欲」と書くほどの岡田少年である。流れ流されの人生なのだ。

「ますだおかだ」を結成するときも、既に就職している岡田を増田がもう何回とかく誘ったらしい。最終的には車の中で二人きりの状況で真顔で一緒にやろう、とプロポーズかという状況だったのに「ノリで」OKしてしまうほどの流れ者。

もうツルツルのエッセイが続き、いいこと言ってるのかもしれないけど頭に入ってこないのですが、子供の話となるとちょっと真顔が見えるのがさすがベスト・ファーザーin関西。

40歳の誕生日、サプライズパーティを仕掛けられた岡田。ひとしきり盛り上がった後、会場の照明がダウン。BGMに小田和正の「言葉にできない」が流れ、子供が感謝の手紙を読むという演出があった。そこで息子登場。

「僕は手紙は読みません。自分の言葉でお父さんに言います」

もうこれだけで胸ジーンや。よっしゃ!お父さん、お前のすべてを受け止めたる。

「パパへ パパは普段シラけた感じの芸ですが、これからは明るい芸風でがんばってほしいと思います」そして大号泣。

マジないか、コラーッ!

 
がんばってほしいと思います。