すべては雨のせいだった。雨がすべてを狂わせた。血のつながらない親と暮らす二組の兄弟は、それぞれに悩みを抱え、死の疑惑と戦っていた。些細な勘違いと思い込みが、新たな悪意を引き寄せ、二組の兄弟を交錯させる。両親の死の真実はどこに? すべての疑念と罪を呑み込んで、いま未曾有の台風が訪れる。慟哭と贖罪の最新長編。

仕事でも恋愛でもなんでもいいのだけど、普通に暮らしている中で何気ない瞬間にふと、自分が取り返しのつかない失敗をしていたことに気がついたりすることがある。ハッとすると同時に、血の気がすっと引き、ああああどうしようと動揺が波となって襲ってくる、その感じ。この本を読むと何度もやってくる。最悪を向かえつつある登場人物たちに、もうどうしたらいいのかわからなくなってしまう状況に、読んでて引き込まれてしまうのだ。降り続く雨の描写がまた陰鬱で、全体の世界を灰色にすっぽり包んでしまう。

読者向けの大仰なサプライズは今回は控えめなれど(とは言えやることやってますが…)、相変わらずのリーダビリティで読まされてしまう。台風一過ともいかない終盤にもやもやとする、雨雲はまだ晴れない。

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