11月 142007
まさに落語ミステリの”真打ち登場”。帯の文句に偽りなし。
高座の最中に血染めのナイフがあらわれる、後輩は殺人の疑いをかけられる、妻の知り合いは詐欺容疑……。次から次へと起こる騒動に、二つ目、寿笑亭福の助が巻き込まれながらも大活躍! 落語を演じて謎を解く、一挙両得の本格落語ミステリー!
これまで落語ミステリと言えば大倉崇浩『七度狐』や田中啓文『笑酔亭梅寿謎解噺』など数あれど、本作が新しいのは、落語を演じることイコール事件の解決になること。
3編ともクライマックスは舞台にあがる福の助の落語。福の助が従来の古典落語に新しい演出を加えるのだけど、この演出そのものが謎の真相を示唆することになるのである。この「新しい演出」=「謎解き」の絵がすばらしい。
落語のアイデアを思いつくだけでなく、それを事件と結びつけるプロットを作るなんてたいそう難しかろうに、3編ともクオリティが落ちないのもスゴイ。
粋な登場人物や名人のエピソードなど、作者の落語に対する愛もひしひしと伝わる筆致。しゃべりの果てにある美しき一石二鳥。また続編が楽しみなシリーズが一つ増えました。
なんだか落語が聞きたいなぁと思ってたら、作家9名が新作落語を書き下ろした『ハナシをノベル!! 花見の巻』がつい最近出たらしく、すごい気になる。実演CD付きですって。我孫子武丸、浅暮三文、田中啓文、牧野修などなど。
【この記事と似たような感じの記事】
- 愛川晶『芝浜謎噺』
- 大倉崇裕『やさしい死神』
- 『気分は名探偵―犯人当てアンソロジー』
- 我孫子武丸『弥勒の掌』
- えんぴつでモルグ街の殺人事件
- パーシヴァル・ワイルド『探偵術教えます』
- ここ最近読んだ本『ストレスフリーの仕事術』『紙魚家崩壊 九つの謎』『質問力』『殺意は必ず三度ある』『オリエント急行殺人事件』
- アガサ・クリスティ『ABC殺人事件』
- 北山猛邦『少年検閲官』
- 綾辻 行人, 佐々木 倫子『月館の殺人(下)』



現在コメント投稿は停止しております。