水野敬也/小林昌平 /山本周嗣 『ウケる技術』

三月に文庫になっていたのね。会話の中のツッコミヤボケの「ネタ」を38の技術に分けて、ケーススタディと共に解説する、自称「コミュニケーションの教科書」。38って。多いな。

自分を含む状況を客観的に見る「俯瞰」、ツッコミの話法でボケたことを言う「フェイクツッコミ」、いきなり第三者に話を振る「切り替え」、実際と間逆のリアクションで発言する「分裂」、など、お笑い芸人などに見られるコネタ話法に一つ一つ名前をつけて解説しているのである。

「俯瞰」って言うと難しそうに聞こえるけど、用例をみると「えー始まって5分、会場はすっかり静まりかえっておりますが…」っ感じ。

最初こそ、「コミュニケーションはサービスである」「リスクを恐れず、リスクヘッジを身に着ける」なんてマジメなビジネス書っぽいことを書いているのだけど、読み進むにつれてビジネスっぽい分量がどんどん減っていき、合コンで女子を持ち帰るケーススタディが出てきて、「股に野望を、舌に技術を」なんて言い出したりする。結局女子か!女子目当てか!

この本自体がマジメな顔してバカなことをしている「分裂」の技術で構成されているのでした。全て体得するとちょっとイタイので、軽い気持ちでポイントのみ再確認するつもりで読むといいかもです。あと著者みんなは1976年生まれ男子で出身大学関東圏なので、ノリはだいたいそんな感じです。