もう日曜も終わり

「サザエさんのエンディングを見ると『あぁ日曜も終わりだなぁ』と寂しい気持ちになる」という話を昔からよく聞く。確かに以前はそうだった。あの原色で塗られた家屋に、サザエさん一家が飛び込んで、ボワンボワンと歪むのを見届けるとなんか寂しかった。

しかし、30歳を超えてから自分の中で異変が起きている。もっと早いタイミングで寂しい気持ちになるのである。「噂の東京マガジン」を見終わると「もう日曜も終わりか…」という気分になるのだ。まだ午後2時なのに。残り10時間ぐらいあるのに。週末が終わるんだ…とテレビの前ですごく切なくなる。

さらに最近「関口宏のサンデーモーニング」の放送終了時に「もう日曜も…」と思いかけて自分でビックリした。まだ午前10時だ。いくらなんでも早すぎる。もうこれからどうなっちゃうんだろう。

常に”明日休み”じゃないと安心しないのかなぁ。でもそれってずっと休みなんだけど。

メトロノーム

道端にメトロノームが落ちていた。

特にゴミ捨て場でもないところに、ポツンと置かれたメトロノーム。そうそうさっき「落ちていた」と書いたけど、道端にある割にはちゃんと置かれていたのだった。なんだったんだろうあれ。落し物にしたってメトロノームってそんなにないだろうし。ちゃんと置かれてるし。

わざと置かれたとすると、そこには何かの意図があったのではないか。とすればあれは何かの警告だったのではないか。時間の感覚が乱れがちな現代人に、「もっと規則正しく!」と警鐘を打ち鳴らしていたのではないか。

まぁ、警鐘といっても「チーン」って音ですが。

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カプラ欲しいなぁ(@nifty:デイリーポータルZ:驚異の積み木・カプラで、パーフェクト・ジェンガに挑む

弁慶の泣きどころ

「弁慶の泣きどころ」といえば「武蔵坊弁慶ほどの豪傑でも蹴られれば痛くて泣く」ことから一般的にはむこうずねの骨を指しますが、実は諸説あるらしい(弁慶の泣き所 – 語源由来辞典)。「中指の第一関節から先の部分」とか「盆の窪」とかも。そこまでして弁慶を泣かせなくたって。

しかし弁慶が泣いたら、それもう「弁慶の泣きどころ」ではないか。精神面から攻めてみてもいい。

・フランダースの犬
・世界の中心で愛をさけぶ
・泣ける2ちゃんねる

涙で画面が見えない弁慶。セカチューの帯も「泣きながら一気に読みました 弁慶」にすればいいと思う。

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こんなキャンペーンやってるとも知らず先月末にまとめて本を買ってしまった。悔しい。普通に欲しい。いま僕の泣きどころはこれです。
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上に立つ波平

今日のサザエさんでこんなシーンがあった。

歯の衛生週間のため、みんなで歯科検診に行こうと呼びかけるサザエさん。一人で行きたくないカツオは、同じく歯医者に行きたくない波平を、お父さん一緒に行こうよと説得する。その時の台詞がこんな感じだった。

カツオ「上に立つ者が率先してやらないとダメだって、いつも言ってるじゃないか」
波平 「それはそうなんだが…」

そんなこと、カツオにいつも言ってるのか波平。

自分の上司が率先して動いてくれないのを夜な夜なカツオに愚痴っているのか、それともカツオに上に立つ者になれと帝王学を教え込んでいるのか、いずれにしても有りか無しかで言えばサザエさんにそれは無しだと思う。

三津田信三『首無の如き祟るもの』

ホラー映画とか、怪談とか、百物語とか、ホラーにからっきし弱い僕である。もう怖い話とかダメなんですよ。だって怖いんだもの。なのでホラー寄りと噂の三津田信三は読んだことがなかったのですが、本作、かなり本格ミステリ度高めということで読んでみました。あんまり怖くなかったよ。よかったよかった。

奥多摩に代々続く秘守家の「婚舎の集い」。
二十三歳になった当主の長男・長寿郎が、三人の花嫁候補のなかからひとりを選ぶ儀式である。
その儀式の最中、候補のひとりが首無し死体で発見された。
犯人は現場から消えた長寿郎なのか? 
しかし逃げた形跡はどこにも見つからない。
一族の跡目争いもからんで混乱が続くなか、そこへ第二、第三の犠牲者が、
いずれも首無し死体で見つかる。
古く伝わる淡首様の祟りなのか、
それとも十年前に井戸に打ち棄てられて死んでいた長寿郎の双子の妹の怨念なのか──。

いやもうド本格ですよ。戦前と戦後におきた二つの殺人事件が本作のコア。幾多の「首無し死体」を巡り、軽く30を超える謎が、”たった一つの事実”を元にどんどんひっくり返っていく様子は圧巻。複雑な作りなのにちょっとの糸口でスルスルほどけるのがスゴイ。

この話、事件を担当した駐在の奥さん(小説家)が当時を振り返りながら書いた小説、という形をとっている。未解決事件を再度まとめることで全体像をつかみたい、という狙いで書かれてるんですが、この全体を覆う枠も効果をあげているのです。読んでる最中は読みづらかったり乗れなかったりした部分(特に解決のあたり)もあったんだけど、あとから考えるとあーこの「作中作」構成にやられてるのか、と思い当たる節あり。つくづく良くできてる。

直球本格なので、その辺りのコードを心得てる人ほどこの作品はオススメ。これは今年のベスト入るなぁ。