麻野 一哉 飯田 和敏 米光 一成『日本文学ふいんき語り』

Exciteブックスで連載されていたベストセラー本ゲーム化会議の単行本化。前作『ベストセラー本ゲーム化会議』であらゆる本を妄想でゲーム化しちゃったゲームデザイナー3名が、今度は日本近代文学に挑む。『文豪の部』と『ベストセラーの部』の2部構成。なんとPR用のブログまであります→日本文学ふいんき語り

このお三方、特に近代文学に詳しいとか一家言あるわけでもないため、フラットな状態からそれはそれは自由に文豪たちをいじくりまくり。太宰治の台詞廻しに爆笑したり、宮沢賢治を中二病扱いしたり、夏目漱石『こころ』の優柔不断の先生に「ほうれんそう(報告・連絡・相談)がなっていない!」と突っ込んだり。もう自由自由。「国語」にこんなに自由なツッコミをかます、というのがまず新鮮。

その自由の末に生まれるゲームたるや、『こころ』恋愛シミュレーションや『痴人の愛』ネット募金や江戸川乱歩ランド構想まで多種多彩。ゲームという木枠にグリグリと文豪を押し当てて、新たな鑑賞ができる一枚の絵に仕立て上げちゃう。馬鹿話の末の夢物語。おもしろい。