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異邦人―fusion 西澤 保彦 集英社 2005-01 |
2000年12月31日。20世紀最後の日、実家に帰省すべく飛行機に乗った私。到着してみるとなんか様子がおかしい。持ち物はいくつかなくなっており、通っていたはずのバスもない。不思議に思って実家に電話してみると父が出た。23年前、何者かに殺害されて、死んだはずの父が…
主人公は幼いころこの家の養子になっており、血の繋がらない姉がいるのですが、この姉が同姓しか愛せない性癖の持ち主。主人公がタイムスリップした23年前というのは、頑固一徹の父と姉はこの性癖が原因で仲違いして、姉は家出同然の状態で音信不通になっている。そしてタイムスリップした4日後が、まさに父が殺害される日なのだ。
姉には幸せに暮らして欲しいし、父には死んで欲しくないし、でも父が死ねば姉が自由になるのかもしれんし、その他にも実家の後継者の問題、姉の恋人(女性)や姉に対する好意、タイムスリップに伴うルールなど複数の悩ましい要素が絡みあう。主人公悩みまくりである。
タイムスリップと殺人事件の真相に西澤保彦お得意のSFミステリの手腕が発揮されていますが、それにも増して親子愛・兄弟愛・同姓愛を一つの物語の中に編込んでいくため話の筋がとても深い。ラストに現れる”新しい絵”にはちょっとほろりと来る、まさにオトナのタイムスリップ譚であります。
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