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となり町戦争 三崎 亜記 集英社 2004-12 |
第17回小説すばる新人賞受賞作。『本格ミステリ・ベスト10 2006』で石持浅海が1位に挙げていた作品。なぜー。
ある日届いた「となり町との戦争のお知らせ」。しかし日常は全然変わらない。となり町を通って普通に通勤する毎日。やがて偵察の辞令を受けた”僕”は、見えない戦争を確かめるため役場へ向かう。
戦争が「公共事業」として役所で淡々と処理される、というアイデアがシュールで、見えない所で戦争が進んでいる(広報の「人口のお知らせ」で戦死者の数だけ増えていったり)というのも背筋を寒くする要素を備えている。なんだけど…読み進むと恋愛が絡んだり戦争の様子がちょっとだけ見え始めてきて、この着想の良さが薄くなってくような気がしてしまう。うーん。
輪郭だけでこの物語が終わらせると良くできたショートショートになるんだけど、「戦争」というテーマについて深く掘り下げようとすると着想と合わなくなる。アンバランスな形なのかなぁ。アイデアや描写には力がある人だと思うので今後に注目したい。
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