シオドア・スタージョン『不思議のひと触れ』

奇想コレクションのスタージョン短編集第一弾。『輝く断片』(→REVIEW)がよかったのでこっちも読んでみた。

奇想とユーモアと切なさの融合がたまらんですね。「もう一つのシーリア」「タンディの物語」の事件のインパクトもさることながら、「孤独の円盤」「不思議のひと触れ」の海辺や「ぶわん・ばっ!」の船上とか、一つ一つのシーンが印象深く切り取られ、読み終わってからもゆっくり後味を味わえる筆致。さすが”アメリカ文学史上最高の短編作家”。これはすごいわー。

『輝く断片』のほうが話のインパクトが強いのですが、こっちは逆に後味にしっとり浸る感じかもしれません。両方ともおススメですよ。