竹内真『カレーライフ』

「好きな食べ物:カレー」と事あるごとにプロフィール欄に書くほどカレー好きな僕なわけですが、『カレーライフ』はホント、全てのカレー好きに読んでもらいたいですよ。もーこれを読み終わるまでに何杯のカレーを食べたことか。食べたくて食べたくてしょうがないんだもの。

洋食屋だった祖父の通夜の晩、幼かった僕たち5人の従兄弟は「大きくなったらカレー屋になる」と約束をした。あれから幾年月たって今は19歳。それが「親父の勘違い」によって現実になってしまった。従兄弟たちを集めて、祖父の味を再現して、カレー屋になるために、想像を超えた冒険がいま始まる。

従兄弟達を訪ねて地球上を行ったり来たり。出会って別れてカレーを作ってと、まさにカレー・ロード・ノベル。まさかこんなにドラマチックな青春小説が生まれるなんてと大感動ですよ。もうカレーを求める浪漫がたまりません。ガンジス川にゆっくりとボートをこぎ出して、地平線から昇る朝日を見ながら「俺は、カレーが好きなんだ」って呟いたりするのよ!あぁ!

一つの鍋に自由に食材を飲み込んで、うまみに変えるカレーは和の象徴なのかもしれない。あぁカレー食いたい作りたい。