ある日起きたらゴキブリになっていた…という出だしだけど『変身』ではなくて鳥飼否宇『昆虫探偵』。熊ん蜂の探偵とゴキブリの探偵助手が昆虫界の難事件に立ち向かう短編集。文庫は書き下ろし一編がプラス。
昆虫なのに日本語喋ってたりとか、異なる虫が一緒に行動しすぎとか、探偵事務所構えるってどこやねんとか、まーツッコミどころは多いのです。で、なにぶん昆虫の世界なんで、動機に怨恨とか金目当てとか一切なし。「生き延びる」か「子孫を残す」の二つか一つ。これに擬死や交尾や擬態などの昆虫の特性を交えて、密室や犯人当てを構成していくんだからなかなかに恐れ入る。短編タイトルも「昼のセミ」「生きるアカハネの死」「吸血の池」などタイトルをもじっており、内容も軽くなぞらえて作られているのが楽しい。
文庫書き下ろしの第六話「ジョウロウグモの拘」の犯人指摘のプロセスが一番キレイだなぁ。単行本のみ読んでる方、お見逃しなくですよ。ファーブルになりたかった男の探偵記。世界最小の不可能犯罪が幕を上げる。
| 昆虫探偵 | |
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鳥飼 否宇
光文社 2005-05-12 |
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