11月 122005
時はルネサンス期イタリア、ミラノ。舞台は宮廷に認められた建築家や芸術家が集まる「旧宮殿」。様々な揉め事に気をもむ宰相ルドヴィコが相談する相手、その人こそレオナルド・ディ・セル・ピエーロ・ダ・ヴィンチであった。
5編からなる短編集。中世なので人名が読みづらいカタカナで誰が誰やらだったのですが、慣れてくると舞台設定の特殊さがメインとなる謎に絶妙に絡んできて気持ちいい。衆人環視のなか右腕だけ残して消えた彫像、塔に幽閉された女が子羊の死体を残していなくなり、祝宴に飾られていた肖像画が謎の譜面を残して消失する。どれもなかなかにトリッキー。
そしてなんといっても注目は4つめの「二つの鍵」。『ザ・ベストミステリーズ〈2005〉』や『本格ミステリ05』にも収録され、
2005インターネットで選ぶ本格ミステリ短編ベストにも選ばれたのもうんうんと頷ける傑作短編。遺言状を入れる箱を特注した大富豪。その箱には金・銀二つの鍵がついていて、金の鍵で閉めると銀の鍵じゃないと開かないし、銀の鍵で閉めると金の鍵じゃないと開かない。銀の鍵三本を息子に配り、大富豪は金の鍵で箱を閉めた。自分の生きてる間に誰かが箱を開けたら相続権は愛人に渡ると言い放つ。そしてある晩、富豪が殺されて箱が持ち去られる。ここから始まるフーダニットはすーごーいーぞー。こんなにキマッた消去法ロジックは久々に見た。読む価値大アリです。
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