容疑者Xの献身

  • 著者/訳者:東野 圭吾
  • 出版社:文藝春秋( 2005-08-25 )
  • 単行本:352 ページ
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天才数学者でありながら高校で数学を教えている石神。彼は隣人親娘に想いを寄せていた。ある日彼は親娘が元夫を殺してしまった現場に遭遇する。二人を助けるため、持てる頭脳を駆使し、隠蔽を図る石神がとった行動とは…

『探偵ガリレオ』『予知夢』と続く”探偵ガリレオ”シリーズの物理学者・湯川が石神の同級生として登場。混迷する警察捜査を横目に、石神の真意に気づきはじめる。天才同士の対決、という構図もあるが、何よりこの小説のもつ「恋愛感情」と「トリック」の有機的融合に感嘆。想うゆえに、こうするしかない、という流れで隠蔽工作が図られてこれが効果絶大。想いがトリックを生み、トリックが想いを映すという表裏一体。石神ー湯川の友情、という要素も絡むため、書く人が書くと大層盛り上がって大法螺な話になりそうなところ、そこは東野圭吾、最小限の言葉で最大限に効果を生む技量で、読者の中に静かに興奮を巻き起こす。これは巧い。巧いなー。

ただこれは色んな人の意見も聞いてみたいなぁ…。『秘密』で主人公に対する評価が(特に男女で)割れたように、石神の行動に感情移入するか白けるか割れる気がする。メイントリックはマニアでも虚を突くものだと思うけど、恋愛部分と表裏一体な分、感情移入度は作品全体の評価に大きく影響すると思うのだ。非モテ男が捧げた完全犯罪。一途か、キモイか。

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