9月 152005
札幌の百貨店に勤める柾人。仕事の内容は”内偵”。ある日柾人の元に妹の木実から手紙が届いた。もう数年会っていない妹。結婚するという知らせだった。式も間近になった頃、妹とルームシェアしている女性が尋ねて来た。木実が突然いなくなったという。しかも手ぶらで。調べてみると木実が消えた一週間前に婚約者も消えていた。失踪か。それとも…。仕事で得たスキルを秘め、柾人は故郷の旭川に向かう。木実と二人で逃げ出した”あの事件”以来近づかなかった、あの故郷に。
帯が乙葉なのね。人探しの過程はミステリらしく進み、その中途で出会う人々との出会い・再会を絡め、故郷・家族というキーワードから終盤は泣かせにやってくるこの展開。リーダビリティ高く一気読み。適材が適所に嵌まる様子はもはやお家芸の様相。
ただ、物語の筋道がまっすぐ一本通っているとしたら、その周りに行き当たりばったりな線がたくさん引いてあるような、エピソード同士がちぐはぐな印象があるんですよ。一つ一つの欠片は魅力的で、読んでる時はあまり気にしなかったんだけど、読了して遠くから眺めると形に違和感があるというか。その線たちが同じ方向をビシッと向いた時、もっとすごい作品が出来上がる予感はするのだけど…。
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