光原百合『十八の夏』

花をモチーフにした4つの短編からなる短編集。花と「絆」が主流に据えられ、可視と不可視のセットが物語を深くする。白眉はラストの「イノセント・デイズ」。底深き悪意と大いなる善意のぶつかりあい。クライシスに食らいつく、牙を向く性善説。