殊能将之『キマイラの新しい城』

750年前の事件と現代の事件。石動シリーズということはまず真っ直ぐには行かないわけで、本格の本道から路地に入って座り込んでタバコふかしてるような不良ぶり。今回は「750年前の幽霊が社長に取り憑いた」という設定で、中世と現代のギャップにうろたえる幽霊視点がかなりオモロイ(六本木ヒルズで黒蜘蛛にビックリ!とか)。ミステリ的には既存の本格をこねて叩いて壁にぶつけて観察するような、パロディと稚気の面白さ。いろんな意味で小ネタ満載の本でした。So Nice.